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【本と香りの往復書簡】魂のいちばんおいしいところ





植物が蒸留されて、

ひとしずくの精油がみえてくる。



それは、まるで



「ことばが生まれる」過程と同じ。





物語や詩は、そんな深い部分から


生まれてきた 香りそのもの。




ずっとそんなふうに感じてきました。



🍀




青森のかわいいアロマひつじやさんと紡ぐ




そんなひとしずくの喜びを



分かち合い、一緒に旅する時間です。





2通めのひつじやさんからのお便り 🌱



嬉しくて、その喜びをこちらのページに書きました。





そして3通め、月とアロマと からのお返事は・・・





魂のいちばんおいしいところ



神様が大地と水と太陽をくれた 大地と水と太陽がりんごの木をくれた

りんごの木が真っ赤なりんごの実をくれた そのりんごをあなたがわたしにくれた

やわらかいふたつのてのひらに包んで まるで世界の初まりのような 朝の光といっしょに



何ひとつ言葉はなくとも あなたは私に今日をくれた

失われることのない時をくれた りんごをみのらせた人々のほほえみと歌をくれた もしかすると悲しみも

私たちの上に広がる青空にひそむ あのあてどないものに逆らって


そうしてあなたは自分でも気づかずに あなたの魂のいちばんおいしいところを 私にくれた



谷川俊太郎 「魂のいちばんおいしいところ」





わたしにとって



人生でいちばん幸せ、と感じることは



たましいを分かち合えるような



そんな存在に出逢えた時かもしれません。










ひつじやさんから届いた



物語とお手紙と香りに




たましいがふるえるような、



よろこびを感じました。




「ふたりが であった」



こころの深い部分に触れるような



そんな気持ちを表現したくて



この一冊を選びました。



🌱



『魂のいちばんおいしいところ』には


他にもたくさんの好きな詩が詰まっていて




たとえば



「成人の日に」 からの一節



他人のうちに自分と同じ美しさをみとめ

自分のうちに他人と同じ醜さをみとめ     

でき上がったどんな権威にもしばられず 流れ動く多数の意見にまどわされず とらわれぬ子どもの魂で いまあるものを組み直しつくりかえる それこそがおとなの始まり



また、


ほんとうに出会った者に別れはこない 


(「あなたはそこに」より)



など、


珠玉の言葉がちりばめられています。




そんな広がりも、




ふたりの関係性にとどまらない


存在への敬意 を伝えられるような気持ちがしました。







🍀



お手紙は、



贈っていただいた「ともだちは海のにおい」に出てくる


いるかのような、 くじらのような


(ホットケーキを作ろうとして

  粉で白くなったエピソードがありました)



そんな姿を想像して・・・







いるかは くじらのお腹のそばで

しばらく目をつぶった。

くじらも 波にゆられて じっとしていた。


「ああくじら。 とても気分がよくなった。

 ありがとう。 また泳いでくる。 さよなら」


「それはよかった。 さよなら いるか」


いるかは うちへ帰りながら


ぼくは くじらのことが すきだ と思った。



🍀


『ともだちは海のにおい』のこの一節 



からはじまるお返事です。






香りは、



たましいをイメージして、



透明なジェルに


海の深みのエメラルド(オリーブオイル)

おひさまの光(サンフラワーオイル)

地上の実(アプリコットカーネルオイル)


を加えて


思い出の ネロリ と


古来の人々が魂を捧げてきた ミルラ の精油を



ひとしずくずつ。




作りたての ジェルと


完成したばかりの りんごとお月さまの石けん



そして、4年前に作った


「たましい」という香水を添えました。




ひつじやさんから届いた


おひさまと海と自由なたましいをもつ さわやかな風




その風は


からだの中を吹き抜けて



自然のひかりが戻ってくるのを感じています。




#谷川俊太郎 #たましい



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